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別居の父親が親権を勝ち取った判決!
先日、5年間別居していてその間一度も子どもに会えなかった父親が裁判で親権を勝ち取るという画期的な判決が出ました!
このニュースを聞いて驚いた方も多いと思います。
日本では両親が別居している場合、「継続性の原則」を重視するため、子どもと一緒に暮らしている方の親に親権が認められることが多いからです。
今回の判決の場合、5年間一度も子どもと父親は会っていませんでした。
では、なぜ父親が親権を勝ち取ることができたのでしょうか。
親権に関する裁判所の判断基準は『子の利益』です。
どちらの親に養育されたほうがその子どもにとって、精神的にも肉体的にも健全に育つことができるか、ということが最も重要なのです。
しかし、別居になってお互いの同意なく夫婦の内片方が一方的に子どもを連れ去って生活していた場合、「継続性の原則」という理由で判断されると、本当に子の利益になってるのかという疑問が残ります。
また、「母性優先の原則」というものもあります。
以前は「母親優先の原則」と言われていたようですが、最近では父親の子育てへの関わり方も変わってきており、母性的な役割を果たしているのが父親である場合は父親にこの原則が適応されることもあるわけです。
そして、今回の判決では「寛容性の法則」が採用されたそうです。
これは、子どもとの関係をより有効に保てる親を親権者とする考え方です。(「フレンドリーペアレントルール」というそうです。)
この裁判で、妻は離婚と親権を求めて提訴していたのですが、子どもとの面会について、月1回2時間程度を監視つきでしか認めないと主張。
一方夫側は、年間100日の面会を認め、約束を破った場合は親権者変更の理由になることなども提案。
この妻側の強気な姿勢は、5年も夫と離れて暮らしていてその間、子どもは夫と1度も会っていないのだから100%親権は自分が得られるだろうという強い自信から来たものではないでしょうか。
その強気な姿勢が裏目に出てしまったようですね。
妻が突然娘を連れて別居をしたことや、5年間一度も夫に会わせなかったことも考慮され、夫を親権者としたほうが娘自身、父母双方に会える機会が増え、娘の利益になると判断されたようです。
全ての場合において、男性の親権取得に賛成とは思いませんが、純粋にどちらが親権を得たほうが子のためになるかを今回の判決をきっかけに、慣例にとらわれず判断して行く流れができれば良いなと思いました。
弊所にご相談に来られる男性にも、強く親権を希望される方がたくさんおられます。
浮気をして家庭を壊した妻が親権までも取り、夫には何も残らない…なんて状況も多く見てきました。
今回の判決が、そういった男性の皆さんの希望となればいいなと心から思います。